カキモトリクオフィス
用語集

採用広報・採用ブランディング 用語集

採用広報や採用ブランディングに関わる基本的な用語を、当社の実務経験をもとにまとめました。気になる言葉から読み進めてください。

求人広告や人材紹介とは別に、自社の魅力や働く環境を継続的に発信し、転職を今は考えていない層も含めて広く認知してもらうための活動です。

求人広告は「今すぐ転職したい人」にしか届きませんが、採用広報は「良い会社があれば考えてもいい」という段階の人にもリーチできる点が最大の違いです。また、求人広告は掲載期間が終われば役割を終えますが、採用広報コンテンツは公開後も検索や紹介を通じて長く使われ続けるため、自社の資産として蓄積されていきます。効果が数字に表れるまでには一定の期間がかかるため、短期の成果だけで良し悪しを判断しない設計が必要です。

関連用語:転職顕在層/転職潜在層採用ブランディング

企業認知度や求職者の入社意欲を高めるため、自社を戦略的にブランド化していくことです。理念・ビジョン・社員の人柄・職場の雰囲気などを一貫して発信し、「この会社で働きたい」と思うファンを増やす取り組みを指します。

ポイントは「誰に・何を・どこで伝えるか」を先に設計してから発信を始めることです。ターゲットを定めずに発信を始めると、コンテンツごとに訴求がばらつき、結果として「何をしている会社か伝わらない」状態に陥りやすくなります。自社の魅力を整理する際は4P分析、伝えるべき内容を絞り込む際は3C分析といったフレームワークを使うと、担当者間で認識をそろえやすくなります。

関連用語:4P分析3C分析エンプロイヤーブランディング

「応募→選考→内定→入社」という従来の採用プロセスに、マーケティングの考え方を取り入れ、認知から入社後の定着・活躍までを一気通貫で設計する考え方です。

従来の採用活動が「応募が来てから」を起点にしていたのに対し、採用マーケティングは応募前の段階(認知・関心・検討)から候補者との関係を育てていく点が特徴です。KPIをファネルの段階ごとに設定し、どの段階で離脱が起きているかを継続的に検証・改善していく運用が前提になります。「入社をゴールにしない」という発想の転換も重要で、入社後の定着・活躍まで視野に入れた設計が求められます。

関連用語:採用ファネルタレントプールペルソナ(採用マーケティング)

求職者が企業を知ってから入社・定着するまでの流れを「認知→関心→検討→応募→選考→内定→入社→定着」の段階で捉える枠組みです。段階ごとに適したコンテンツ・施策が異なります。

例えば「認知」段階の求職者に、いきなり詳細な選考プロセスや条件面の情報を届けても響きません。逆に「検討」段階まで進んだ候補者に、会社の存在を知ってもらうためだけの導入的なコンテンツを繰り返し見せても効果は薄くなります。自社の採用課題が「そもそも知られていない」のか「知ってはいるが応募に踏み切れない」のか、ファネルのどの段階に当てはまるかによって、打つべき施策が変わってきます。

関連用語:採用広報のKPI(短期・長期)

顕在層は転職活動を始めている層で、求人メディア等で接触できます。潜在層は「良い会社があれば」という段階で、転職活動はしていないものの情報には触れている層です。潜在層には採用広報でしか届きません。

求人メディアは基本的に顕在層向けの手法であり、すでに競合が集まる場での競争になりがちです。一方、潜在層は母数としては圧倒的に多いものの、能動的に転職情報を探していないため、オウンドメディアやSNSなど「向こうから見に来てもらう」形の接点でしか出会えません。採用広報は、この求人メディアが届かない潜在層にリーチするための手段として位置づけられます。

関連用語:採用広報オウンドメディアリクルーティング

ハードスペックは給与・待遇・業務内容など募集要項に書ける条件面です。ソフトスペックは社風・働く仲間・カルチャーなど、条件だけでは伝わらない魅力を指します。

求人票はハードスペックの伝達には向いていますが、「どんな人達が働いているのか」「制度は実際に使われているのか」といったソフトスペックは、条件の文言だけでは伝わりません。特に条件面で他社と大きな差をつけにくい企業ほど、ソフトスペックの発信が採用競争力を左右します。両者は対立する概念ではなく、両輪として組み合わせることが前提です。

関連用語:ABCDE分類

「待ち」の姿勢で候補者を集め、選考でふるい落とす従来型の採用の呼び方です。応募数(量)を重視する考え方で、これからの「選ばれる側」の企業には不向きとされています。

背景にあるのは「母集団信仰」、つまりとにかく多く集めて足切りすれば良い人材が残るという発想です。しかし応募数を追い求めても、自社に必要な人材がその中に含まれているとは限りません。労働人口が減少し、企業が「選ぶ側」から「選ばれる側」に変わりつつある状況では、限られた母集団の中でマッチング精度を高める発想への転換が必要とされています。

関連用語:タレントプールカジュアル面談

採用のマッチング精度を高めるための3つの観点です。社風との相性、スキルの適合、企業の使命への共感度をそれぞれ指します。

スキルフィットだけを見て採用すると、能力は高くても社風になじめず早期離職につながるケースがあります。逆にカルチャーフィットだけを重視すると、業務遂行に必要なスキルが不足する恐れがあります。3つの観点をバランスよく見極めることが、入社後のミスマッチを防ぐ鍵になります。

関連用語:採用ブランディング

企業を「働く場所」としてどう見られるかを、求職者だけでなく既存社員・取引先・社会全体を含めた広い対象に向けて構築していく考え方です。採用ブランディングが「求職者への訴求」に焦点を当てるのに対し、エンプロイヤーブランディングはより広い、企業ブランディング全体の一部として位置づけられます。

実務上は両者が厳密に使い分けられていないことも多く、混同して使われる場面も少なくありません。ただし、社内向け(既存社員のエンゲージメント)と社外向け(求職者への訴求)のどちらに軸足があるかを意識して使い分けると、施策の目的がぶれにくくなります。

関連用語:採用ブランディング4P分析

企業側から求職者に直接アプローチする「攻め」の採用手法です。求人を出して応募を待つ「待ち」の手法と対比されます。

転職潜在層を含む幅広い候補者に自らアプローチできる一方、スカウトメールの文面や送付タイミング、ターゲティングの精度によって返信率が大きく変わる、運用難度の高い手法でもあります。プル型の求人メディアからプッシュ型のダイレクトリクルーティングへ、採用活動全体の重心が移りつつある流れの中で注目されています。

関連用語:スカウトメール母集団形成

自社の社員から知人・友人を紹介してもらう採用手法です。カルチャーが合う人材とマッチングしやすいとされています。

紹介した社員自身が会社を理解しているため、候補者に対して等身大の情報が伝わりやすく、入社後のミスマッチが起きにくいのが利点です。一方で、社員の人脈の広さに依存するため、単独の採用チャネルとして安定的に機能させるには、紹介しやすい制度設計や、日頃から社員が自社に前向きな実感を持てる環境づくりが前提になります。

関連用語:タレントプールアルムナイ採用スクラム採用

自社で保有するメディア(採用サイト・ブログ・SNS等)を通じて、求職者との接点を作り育てていく採用手法の総称です。

広告費に依存せず、自社のペースで発信を続けられる点が最大の利点ですが、成果が出るまでに一定の時間がかかる中長期の取り組みです。単発の記事公開ではなく、継続的な更新を前提とした運用体制を組めるかどうかが、成果の分かれ目になります。

関連用語:転職顕在層/転職潜在層採用広報SNS採用/インフルエンサー採用ペイドメディア/アーンドメディア(トリプルメディア)

過去に接点を持った候補者(すぐには転職しない人も含む)を蓄積しておき、将来のタイミングで改めてアプローチする考え方です。「フロー型」の対義としての「ストック型」採用と呼ばれます。

「今は転職意欲が高くない」という理由だけで候補者との関係を打ち切ってしまうと、将来転職意欲が高まったタイミングを逃すことになります。タレントプールは、こうした「惜しい人材」を放置せず、長期的な接触を通じて自社のファンになってもらい、将来的な採用につなげていく発想です。

関連用語:焼畑農業型採用リファラル採用アルムナイ採用

選考に関係しない対話の場です。エントリーシート等の提出を伴わないため候補者の心理的ハードルが低く、通常の選考では出会えない層との接点を作れます。

あくまで選考ではなく相互理解の場であるという前提を、候補者にも社内にも明確に伝えておくことが重要です。ここで得られた情報や候補者の反応を選考評価に流用してしまうと、候補者の信頼を損ない、この手法自体が機能しなくなります。

関連用語:カルチャーフィット/スキルフィット/ミッションフィット

応募者・候補者の集団(母集団)を形成する採用活動全般の呼び方です。ダイレクトリクルーティングやエージェント活用などが含まれます。

母集団形成というと「人数を集めること」に意識が向きがちですが、量だけを追うと選考の手間が増えるだけでミスマッチも増えます。どんな人材像に向けて、どのチャネルで母集団を作るかを事前に設計しておくことが、後工程の選考効率を左右します。

関連用語:ダイレクトリクルーティングRPOスクラム採用

ダイレクトリクルーティングにおいて、企業から候補者へ直接送るアプローチメールです。返信率を高めるための構成の工夫が重要とされています。

候補者は日々複数のスカウトメールを受け取っていることが多く、テンプレート的な文面は埋もれてしまいます。プロフィールのどこを見て声をかけたのかを具体的に示す、件名で開封率を左右する要素を意識するなど、パーツごとに工夫を積み重ねることが返信率に直結します。

関連用語:ダイレクトリクルーティング

Recruitment Process Outsourcingの略で、採用活動の一部または全部を外部に委託することです。

母集団形成やスカウト送付といった実務工程だけを委託する部分委託から、戦略設計を含めて包括的に任せる形まで、委託範囲にはグラデーションがあります。自社にノウハウや人手が不足している工程を切り出して委託する、という考え方で範囲を決めるのが実務上のポイントです。

関連用語:母集団形成

従業員向けの「カスタマーサクセス」という考え方です。福利厚生など制度面が中心の「従業員満足度」とは異なり、社員が持続的に成長できる仕組みの提供を指します。

「満足度」が現状への納得感を測る指標であるのに対し、エンプロイーサクセスは社員の成長やスキル向上そのものを企業が能動的に支援する発想です。採用広報の文脈では、入社後に社員がどう成長しているかを伝えるコンテンツが、この考え方の発信材料になります。

関連用語:採用マーケティング

入社後のミスマッチを防ぐため、選考段階で仕事の良い面だけでなく、大変な面・厳しい面も含めてありのままを候補者に伝える手法です。「Realistic Job Preview」の略で、事前の期待値調整によって早期離職を減らす効果があるとされています。

良い面だけを強調して入社意欲を高めようとすると、入社後に「聞いていた話と違う」というギャップを生み、早期離職につながりやすくなります。厳しい面をあらかじめ伝えることは一時的に応募数を減らす可能性がある一方、入社後の定着を重視するのであれば、選考プロセスに意図的に組み込む価値のある考え方です。

関連用語:カジュアル面談内定辞退率

人事担当者だけでなく、現場の社員も巻き込んで全社で採用活動に取り組む考え方です。ラグビーの「スクラム」になぞらえた呼び方で、母集団形成から面談・魅力訴求まで、各部署のメンバーが役割を持って関わる体制を指します。

人事担当者だけでは、各部署の業務内容や現場の雰囲気を候補者に十分に伝えきれないという課題感から生まれた考え方です。現場社員がリファラル採用やカジュアル面談に関わることで、候補者により実態に即した情報を届けられる一方、現場の協力を継続的に得るための体制づくりが前提になります。

関連用語:母集団形成リファラル採用

X(旧Twitter)、Instagram、TikTok等のSNSを通じて求職者との接点を作る採用手法です。社員自身が発信者となる「社員インフルエンサー」の起用や、外部インフルエンサーとの協業を含む場合もあります。

企業アカウントからの公式発信よりも、実際に働く社員個人の発信のほうが、候補者にとってリアルな情報として受け取られやすい傾向があります。一方で、個人の発信である以上、投稿内容の自由度と会社としてのガイドラインのバランスをどう取るかが、運用上の論点になります。

関連用語:オウンドメディアリクルーティングABCDE分類

退職した元社員(アルムナイ)を、改めて候補者として迎え入れる採用手法です。カルチャーの理解や即戦力性の面でミスマッチが起きにくいとされ、退職者との関係を維持するアルムナイネットワークの構築が前提になります。

一度退職した人材を「戻ってくる可能性がある候補者」として捉え直す発想です。退職時の関係性が良好であることが前提になるため、退職者を「辞めた人」として関係を断ち切るのではなく、緩やかにつながりを維持しておく設計が、将来のアルムナイ採用の土台になります。

関連用語:タレントプールリファラル採用

採用広報コンテンツを Associate(人)/Business(事業)/Career(キャリア)/Destination(目指す姿)/Environment(環境)の5分類で捉える、当社が支援先で使っている考え方です。社員インタビューに偏りがちなコンテンツを、バランスよく展開するための指針として活用しています。

採用広報は社員インタビューに頼りがちですが、それだけでは同じような記事が並び、コンテンツのマンネリ化を招きます。5つの切り口を意識的に配置することで、事業内容や制度、会社が目指す姿といった、インタビューだけでは伝わりにくい側面もバランスよく発信できるようになります。

関連用語:ハードスペック/ソフトスペック

自社の魅力を Philosophy(理念)/Profession(事業)/People(カルチャー)/Privilege(待遇・働き方)の4つの視点で整理するフレームワークです。

自社の魅力を洗い出そうとすると、担当者の主観や思いつきに偏りがちです。4つの視点をあらかじめ用意しておくことで洗い出しの抜け漏れを防ぎ、複数の担当者が関わっても同じ枠組みで情報を整理できるようになります。

関連用語:採用ブランディング3C分析

求職者(Customer)・自社(Company)・競合(Competitor)の3視点から、伝えるべき内容を明確化する手法です。

4P分析で洗い出した自社の魅力すべてを発信するのではなく、「求職者が求めていて、競合が提供できておらず、自社が提供できる」領域に絞り込むために使います。この絞り込みを行わずに発信すると、他社と同じような訴求になり、差別化につながりません。

関連用語:4P分析

自社が採用したい人物像を、経歴・価値観・転職理由の傾向などを含めて具体的な一人の人物として描いたものです。採用広報のメッセージやコンテンツの方向性を、担当者間でぶれなく共有するために使います。

「20代・エンジニア」といった属性だけの設定では、実際のコンテンツ制作の場面で判断基準になりません。転職理由や情報収集の仕方まで具体的に描くことで、「この人物なら、どんな見出しに反応するか」といった制作判断の拠り所になります。

関連用語:採用マーケティング3C分析

企業が情報発信に使う媒体を、ペイドメディア(広告費を払って露出を得る媒体)、アーンドメディア(メディア掲載や口コミなど第三者からの発信)、オウンドメディア(自社で保有・運用する媒体)の3種類に分類する考え方です。採用広報でも、この3つの組み合わせ方を設計することが有効とされています。

オウンドメディアだけでは、そもそもの認知が広がるまでに時間がかかります。立ち上げ期にペイドメディアで露出を補い、実績が積み上がるにつれてアーンドメディア(取材・掲載等)が増えていく、という時間軸での組み合わせ方を意識すると、単体で運用するより効率的に認知を広げられます。

関連用語:オウンドメディアリクルーティング

短期KPIはPV・エンゲージメント等の反応指標、長期KPIは応募数・内定辞退率・定着率等の成果指標です。両方を分けて追うのが基本とされています。

採用広報は成果が出るまでに時間がかかる施策のため、応募数などの長期KPIだけを追っていると、日々の活動が正しい方向に向かっているかを判断できません。短期KPIで日々の発信の反応を確認しつつ、長期KPIで最終的な成果を検証する、という2段構えで運用することが基本になります。

関連用語:採用ファネル内定辞退率

内定を出した候補者のうち、実際に辞退した割合です。採用広報における長期KPIの代表的な指標の一つとして扱われます。

内定辞退が多い場合、原因は選考プロセスのスピードや条件面だけでなく、入社後のイメージが十分に伝わっていなかったことにある場合も少なくありません。RJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)のように、選考段階で実態を丁寧に伝える取り組みは、内定辞退率の改善にもつながります。

関連用語:採用広報のKPI(短期・長期)RJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)

ここまでの用語が、自社の採用広報にどう当てはまるか気になった方へ

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